noroiwokakeruTSU_TP_V

昔、10代の時でまだしていい事、悪い事の分別もつかない時の話。
 
中学を出て、高校も行かず、仕事もせずにツレとブラブラ遊び回ってた。 

いつものようにツレから連絡があり、今から肝試しに行こうとなった。 

俺は昔から、そういった事は全く信じておらず、怖い物など無いと、言ってのけていた。 
 
二つ返事で了解し、ツレが迎えに来て、さっそく肝試しに向かう事になった。 
 
場所は割と近い山の中のトンネルだった。

メンバーは血の気が多くリーダーシップのあるTと10代と言うのにすでに威厳のあるMと多少幽霊関係にビビり気味の超絶イケメンSの4人で行く事になった。 

皆、霊感何て物は無く、S以外は幽霊何ていないと余裕で心霊スポットに向かっていた。
 
今考えたら、これが間違いだった。 
 
その山までは1時間もかからずに着いた、道中は何も無かったが、

山中の丁度カーブ辺りに花が供えてあったのを見て背筋に悪寒が走り、何か忘れてると考えたのを覚えている。 

無事にトンネル前の駐車場に着き、トンネルには直接入れない為、駐車場に止めて、そこから四人で歩いて行った。 

幽霊など信じてはいなかったが、やはり夜中の山道は気味が悪く、嫌な位静かだった。 

そんな中無理に盛り上げようとTが崖落ち防止のガードレールを蹴り上げながら、声を張り上げていた。 

「全然対した事無いやろ、暗いだけ」 
「本当だね、全然対した事無いし、拍子抜けだ」 
 
「いやいや、充分怖いし、もう帰りたい」 

そんなたわいない会話をしながら歩くと、すぐに目的のトンネル前に着いた。 


息巻いて来たはいいが、トンネルの入口の時点で圧倒される程に嫌な雰囲気だった。 

トンネルはまるで侵入者を拒むように、もしくは中にいる者を出さないようにデカイブロックで封鎖されていた。 

流石に誰が行くと雰囲気にもなれずにタジタジでいると、血の気の多いTが言い出した。 

「お前らビビってる?情けないね、俺が行くわ」 
 
ここで行かなかったらビビり確定、それだけは避けたかった俺は思ってもない事を言ってしまった。 

「ビビるはずないだろ、俺が一人で行って来るから待っとけ」 

本当に後悔した。 

「お前は男だな、ヨシ行け」 
 
この時ばかりはTを恨んだ、本当に零感の俺でもヤバイ雰囲気ムンムンだったから。 

しかし一回言った事なので後には引けず、ブロックの隙間から一人、吹き抜ける暗闇に侵入した。 

いざ入ってたはみたものの、中はずっと続く暗闇、

その日暮らしの俺達は懐中電灯など無く、あったのはジッポライターの明かりだけ、その明かりが余計に揺らめいて見え、不気味さを更に強調していた。 

トンネル内は天井から水滴が垂れる音以外の音は無く、幽霊なんていないと考える俺でも、奥に向かって、中々踏み出す事も出来ずにたじろいでいた時トンネル外で待つツレが叫んで来た。 

「中はどうだー?」 
 
「マジでやめた方がいいってー」 
 
「俺らも行こうかー?」 

その声で少し恐怖が消えた俺は「大丈夫、奥まで行ってみるわ」とトンネルの奥に向かい歩き始めた。

いざ歩き始めると恐怖心は余り無く、むしろ何故か懐かしい感覚にさえなったのを覚えている。 

そんな違和感を抱えながら、丁度トンネルの半分位に来た時にカーブの時に忘れてた事、妙な懐かしさの正体が何なのかはわかった。 

これは話に繋がる事なので詳しい事は後で話す事になります。 

怖さは完全に消え、そのまま奥に辿り着き、何も無く、溜息混じりに戻るかと踵を返した時にそれは起こった。 

耳元からフゥーっと息を吹きかけるような生温い風が耳にかかる、気のせいと気にせず歩を進めるが10秒おき位にずっと吹きかけられ、流石に恐怖心が蘇った俺は足早にトンネル入口へ向かった。 

足早になった辺りから吹きかけられている息が絶えず吹きかけられようになり、恐怖心が絶頂に達した俺は全力で入口に向かって猛ダッシュした。 

何とか入口のブロックの隙間からはい出て、耳元の息も無くなり一段落した俺は固まって待っていたツレの所に行こうとした。 

「スゲーよ、ここは本気でヤバイ、マジで焦ったし、何か耳元で息を…」と俺が言いかけた時に、ツレ達が顔面蒼白で震える声で言った。 

「お前の後ろ、何なんだよ」 
 
「お前悪ふざけも大概にしろよ、そんなんで出て来たら洒落にならんぞ」 
 
俺は、はぁ?となりましたが、ああコイツら出てきた俺をビビらす為のドッキリだなと思い、

少しキツめに「お前らが大概しろって、一人でマジ怖い思いしたんだぞ」と言った所でSの様子に気付いてしまいました。 

Sが涙目になりながら震えていた…。 

幽霊にはビビるが普段は肝の座ってたコイツが演技で涙目になり震えるはずがないと思った俺は何かが確実に後ろにいると思い動け無くなった。 

恐怖に直立不動で動け無くなった俺はずっとツレに視線を向けていたが、ある事に気付いた、左眼の視線の端に黒い髪のような物が見える。 

しかし、恐怖心が勝り、確認出来ずにいた時に急にSが「マジもう無理だ」と言いながら駐車場に向かい走り始めた、それと同時位にTとMも「マジスマン」と言いながら走り出した。 

恐怖心はヤバかったが、パニックになりながらもこの状態で一人残される事な方が無理と判断した俺も駐車場に向かい全力で走り出した。 

本当にビビり上がっていた俺は何度も躓きながらも全力で走ってた。